2018年 03月 20日

【にている漢字の使い分け①】同訓異字-同じ訓読みのことば-

『光村の国語 これでなっとく!にている漢字の使い分け』は、紛らわしい漢字を集めた新しい「漢字の使い分け絵辞典」です。
漢字の音訓や意味、熟語などを手がかりにした使い分けの考え方を解説し、場面や文脈に合わせて適切な漢字を選ぶ力を育てます。
全3巻のうち、今回は第1巻「同訓異字-同じ訓読みのことば」をご紹介します。

第1巻「同訓異字-同じ訓読みのことば」

第1巻「同訓異字-同じ訓読みのことば」目次ページ

『光村の国語 これでなっとく!にている漢字の使い分け』第1巻は、「会う」「合う」などの同訓異字をテーマとしています。
訓読みのことば(和語)なので、子どもたちも話すときには頻繁に使っているのに、いざ漢字で表記しようとするときに迷ってしまうことが多いようです。
同訓異字は、意味も近いものが多く、大人でもなかなか書き分けるのが難しいですね。
この本には、小学生・中学生が使用する頻度が高いと思われる、36カテゴリの同訓異字を収録しています。

同訓異字を使い分けよう!

第1巻「同訓異字-同じ訓読みのことば」では、取り上げる同訓異字をページの上段に示し、ことば自体の理解を促すために子どもたちの日常に即した用例とイラストを示しました。
そして下段に、上段のことばの使い分けにつながる漢字の情報(漢字のもつ意味、意味別の語例、用例など)を提示しました。
 
この本の大きな特長は、単にどちらの漢字が正しいかを示すだけでなく、紛らわしい漢字を使い分けるための考え方を解説しているところです。
同訓異字を使い分けるために、次の2つの考え方を示しました。

1. 熟語で使い分けがわかる!

訓読みのことばは、同じ意味を表す熟語で言い表してみると、どの漢字を使うかがわかりやすくなることがあります。
 
たとえば「朝はやい」時間のことは、「早朝」と言い換えられますね。
このことから、「朝はやい」には「早朝」の「早」が当てはまることがわかります。
 
同様に「走るのがはやい」も考えてみましょう。
この場合は、同じ意味で置き換えられることばが見当たりません。
このようなときは、「早」や「速」を使った別の熟語をいくつか浮かべてみます。
「早」には「早朝」「早期」「早春」など、「速」には「速報」「速球」「高速」などの熟語がありますね。
ここから、動きのはやさやスピードのことを表すのは「速」ということがわかります。
したがって、「走る」という動作がはやいときには、「速い」が当てはまります。

2. 熟語と訓読みで使い分けがわかる!

次に、訓読みをヒントにして使い分ける考え方を見てみましょう。
「いたむ」という読み方をする小学校の漢字には、「傷」と「痛」があります。
それぞれ、次の音訓をもっています。
「傷」 音…ショウ  訓…きず・いた-む・いた-める
「痛」 音…ツウ  訓…いた-い・いた-む・いた-める
 
さて、「果物がいたむ」というときにはどちらを使うのでしょうか。
果物がいたむというのは、きずがついたりして悪くなることですね。
そこから、「きず」という訓読みをもつ「傷」が当てはまることがわかります。
一方、「痛いこと」を表す「お腹がいたむ」には、「いた-い」という訓読みをもつ「痛」が当てはまります。
「おなかがいたむ」の場合は、「腹痛」などの熟語から考えるのも、子どもたちにとって身近なのでわかりやすいでしょう。

「使い分けのコツ」はキャラクターが説明

本書では、中段の黄色い四角の「使い分けのコツ」で、上と同様の内容をキャラクターが語ごとに説明しています。
この部分を読むだけでも、同訓異字を使い分けるための考え方が身につくようなしかけになっています。


考える習慣が身につくと、ふだんノートをとるときや作文を書くときなど、さまざまな場面で正しい漢字を導き出して使うことができるようになります。
考え方を身につけて、紛らわしいことばに出会ったときにも積極的に漢字を使うようになるといいですね。

詳しい紹介はこちら

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