2018年 03月 01日

【連載】子どもの語彙力をのばしたい先生へ。すぐに実践できる活動アイデア集〈第9回〉人物を表すことばを探してみよう

この連載では、図書館用図書『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』を使った、簡単に実践できる語彙指導のアイデアを紹介しています。
 
◆『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』とは◆
語彙力・表現力を高める「にていることば」(類語)の使い分け絵辞典です。
子どもたちが日常で使うことばを手掛かりに、意味のにていることばの中から、より自分の気持ちや考えにぴったりな表現を探すことができます。
たとえば、「はずかしい」ということばを引くと、「照れくさい」「赤面する」「顔から火が出る」などがあります。 それぞれの語に、日常に近い用例とイメージしやすいイラスト、使い分けに関するわかりやすい解説がついているので、自分の使いたいことばを見つけ、適切に使いこなすことにつながります。
巻頭のページでは、子どもたちが言語活動を通じて、ことば選びの大切さに気づく様子をまんがで紹介しています。

子どもたちの語彙力を伸ばす活動を紹介するこの連載も、終盤に差しかかりました。
これまでの活動で、子どもたちの語彙もずいぶんと広がったのではないでしょうか。
今回は、第2回の記事で紹介した「人物当てクイズ」を少しアレンジした活動をご紹介します。

ぴったりのことばを引き出そう!

第2巻10・11ページ「『手慣れた』様子の人はどこにいる?ことば探し隊!」や
第3巻10・11ページ「『ひらめいた』人はどこにいる?ことば探し隊!」
を活用します。

このページでは絵の下段に、絵に描かれている人物の様子や動作を表すことばと、その人物についての説明が示されています。
第2回の記事では、人物を説明した部分を付箋で隠して、ことばに当てはまる人物を探しましたね。
今回は、ことばのほうを付箋などで隠し、人物を説明した部分とイラストを子どもたちに提示します。

たとえば、3巻11ページ⑧「手をあげて意見を言おうとしている子。」という文を示して、この人物がしようとしている動作はどんなことばで言い表すことができるか、問いかけてみましょう。
そのヒントとして、該当するイラストも提示します。

意見を言おうとしているという場面だと理解できれば、子どもたちは自分の日常の様子に照らしてことばを探そうとします。
「手を挙げて、意見を言うこと」をふだん先生はどのように言っているかなどを考えさせると、「発言する」ということばにたどり着くことができると思います。

なかなかことばが出てこないときには、第3巻12・13ページを示すとよいでしょう。
「言う・話す」のにていることばがまとまっていますので、ことばを探すヒントとして使えます。
ただし、このページで紹介していることばでも「つぶやく」「ささやく」はイラストの様子に当てはまりません。
意味や使い方の例を見て、なぜ当てはまらないのか、気づいたことを述べ合うのもおもしろいですね。

また、「発言する」だけが正解というわけではありません。
「述べる」「主張する」「声をあげる」なども、この場面を表せそうですね。
簡単に正解・不正解と決めずに、子どもどうしでなぜそのことばを選んだのか、そのことばだと表す内容がどのようにちがうのかなどを考えるようにすると、状況にあわせてことばを選ぶ力が育ちます。

慣れてきたら、下段に説明がない人物についても、どんなことばで表せるか話し合ってみてもよいですね。
この活動を通して、子どもたちが語彙の引き出しからぴったりのことばを探して取り出すことができるようにしましょう。
 
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