2018年 01月 09日
【連載】子どもの語彙力をのばしたい先生へ。すぐに実践できる活動アイデア集〈第7回〉今年の目標を書こう!
この連載では、図書館用図書『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』を使った、簡単に実践できる語彙指導のアイデアを紹介しています。
◆『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』とは◆
語彙力・表現力を高める「にていることば」(類語)の使い分け絵辞典です。
子どもたちが日常で使うことばを手掛かりに、意味のにていることばの中から、より自分の気持ちや考えにぴったりな表現を探すことができます。
たとえば、「はずかしい」ということばを引くと、「照れくさい」「赤面する」「顔から火が出る」などがあります。 それぞれの語に、日常に近い用例とイメージしやすいイラスト、使い分けに関するわかりやすい解説がついているので、自分の使いたいことばを見つけ、適切に使いこなすことにつながります。
巻頭のページでは、子どもたちが言語活動を通じて、ことば選びの大切さに気づく様子をまんがで紹介しています。
具体的な目標を書くために
新しい年が始まりましたね。
子どもたちに今年の目標を考えさせることも多いと思います。
目標には、「水泳を頑張る」「ピアノを頑張る」のように書く子どもが多いのではないでしょうか。
これも立派な目標ですが、何をどのように頑張るのかが他の人には伝わりにくいですね。
この機会に、より具体的な目標を作文に書かせてみませんか。
まず、作文を書く前に、子どもたちに今年は何を頑張るかを決めさせます。
「○○を頑張る」という目標を立てたら、内容を掘り下げて考えるようしましょう。
たとえば水泳なら、「平泳ぎで100メートル泳げるように練習する」など、具体的な内容を考えます。
「何を」「どのように」「どうする」という部分を詳しくすることで、目標がぐっと具体的になりますね。
また、そのように思うきっかけとなったエピソードなどがあれば、それも思い出すように促します。
作文に書く際には、「思う」の代わりに「痛感した」「心に決める」などのことばを使うと、表現がより生き生きします。
そのときの自分の気持ちにふさわしいことばを探して使うように指導しましょう。

ここで、第3巻6~9ページ「『頑張る』『思う』をもっとくわしく? 内容と思いをわかりやすく伝えよう」を、電子黒板やプロジェクターなどで大きく提示します。
コピーして配ってもかまいません。(この記事の最後で、PDFのダウンロードができます。)
先程までの活動と同じく、まんがの登場人物が「頑張る」の内容を具体的に表現していく様子が描かれています。
自分の気持ちを詳しく説明することで、より明確な目標が立てられることを理解できたようなら、実際に目標を述べる文章を書いてみます。
できるだけ「頑張る」「努力する」や「思う」を使わずに書けるとよいですね。
全員が書き終わったら隣どうしで交換して、どんな目標か、思いが伝わるかどうかを確かめ合いましょう。
第3巻50ページでは、「頑張る」「努力する」に関することばを紹介しています。
このページも参考にしてもかまいません。
「頑張る」や「努力する」などを使わずに具体的に表すことは、自分の考えを整理し、目的や、何をすべきかをはっきりと認識することにも役立ちます。
こうした日常と結びついた活動でも、指導を工夫することで子どもの語彙力はどんどん伸びていきます。
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