2018年 01月 24日

【連載】子どもの語彙力をのばしたい先生へ。すぐに実践できる活動アイデア集〈第8回〉作品にタイトルをつけるときには

この連載では、図書館用図書『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』を使った、簡単に実践できる語彙指導のアイデアを紹介しています。
 
◆『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』とは◆
語彙力・表現力を高める「にていることば」(類語)の使い分け絵辞典です。
子どもたちが日常で使うことばを手掛かりに、意味のにていることばの中から、より自分の気持ちや考えにぴったりな表現を探すことができます。
たとえば、「はずかしい」ということばを引くと、「照れくさい」「赤面する」「顔から火が出る」などがあります。 それぞれの語に、日常に近い用例とイメージしやすいイラスト、使い分けに関するわかりやすい解説がついているので、自分の使いたいことばを見つけ、適切に使いこなすことにつながります。
巻頭のページでは、子どもたちが言語活動を通じて、ことば選びの大切さに気づく様子をまんがで紹介しています。

ぴったりのことばで表現する!

写真や絵などの作品では、作品そのものはもちろん、タイトルもまた作品の印象を左右する重要な要素のひとつです。
その作品を表すぴったりのタイトルをつけることによって、より作品の世界観を相手に伝えることができますね。
今回は、作品にタイトルをつけるという活動を通じて、作品の内容や自分の思いを伝えるためのことばの選び方を学びます。

第2巻6・7ページ「写真にぴったりのタイトルをつけよう!」を活用します。
このページには、コンクールに出品する写真のタイトルに悩む子どもが、何を伝えたい写真なのかをふりかえることで、作品にぴったりのことばを見つけ、満足のいくタイトルをつけるという内容のまんがが掲載されています。
このページを使って、写真や絵を通して伝えたいことを、どんなことばで表現するとよいかを考えてみましょう。

このページ全体を電子黒板やプロジェクターなどで大きく表示し、子どもたちに見せます。
コピーして配ってもかまいません。(この記事の最後で、PDFのダウンロードができます。)
 
まんがの冒頭で、登場人物の男の子は「広い海」というタイトルがぴんとこないと言っています。
なぜぴんとこないのか、まずはその理由を考えてみましょう。
男の子が海の写真を撮った背景には何らかの理由や、この写真を通じて他の人に伝えたいことがあったはずです。
「広い海」というタイトルでは、それを十分に表せていないために、ぴんとこないのですね。
そこで、先生や友達と一緒に、作品によりぴったりな思いの伝わることばを探し、タイトルをつけ直します。
「広い」では目に見える事実しか伝わらないのに対して、このようにことばを工夫することで、作品にこめられた感動や注目してほしいところを表現したり、見る人の想像力をかき立てたりすることができるということに、まんがを通して気づくことができるでしょう。 

まんがの内容を理解できたら、登場人物たちと同じように、物語に登場した海の写真にタイトルをつけてみましょう。
隣どうしやグループで話し合ってタイトルを決めます。
話し合いが終わったら、タイトルとなぜそのことばを選んだのか、自分が着目したところがわかるように発表してもらいます。
まんがの中で示されている「広い」や「美しい」、「静か」に関連したことばを使っても、それ以外のことばを使ってもかまいません。
2巻「性格や特徴を表すことば」には、物の様子や特徴を表すことばがたくさん載っていますので、そこから探してもよいでしょう。
発展として、別の写真や絵を用意してタイトルをつける活動をしてもよいですね。

タイトルに使用することばを工夫することで、作品を通じて自分が伝えたいことがより伝わりやすくなることが、こうした活動によって意識づけられると思います。
  
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