2017年 11月 16日

【連載】子どもの語彙力をのばしたい先生へ。すぐに実践できる活動アイデア集〈第6回〉「見る」をもっとぴったりな表現に変えてみよう!

この連載では、図書館用図書『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』を使った、簡単に実践できる語彙指導のアイデアを紹介しています。
 
◆『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』とは◆
語彙力・表現力を高める「にていることば」(類語)の使い分け絵辞典です。
子どもたちが日常で使うことばを手掛かりに、意味のにていることばの中から、より自分の気持ちや考えにぴったりな表現を探すことができます。
たとえば、「はずかしい」ということばを引くと、「照れくさい」「赤面する」「顔から火が出る」などがあります。 それぞれの語に、日常に近い用例とイメージしやすいイラスト、使い分けに関するわかりやすい解説がついているので、自分の使いたいことばを見つけ、適切に使いこなすことにつながります。
巻頭のページでは、子どもたちが言語活動を通じて、ことば選びの大切さに気づく様子をまんがで紹介しています。

場面にぴったりな表現を探してみよう!

2学期はさまざまな行事が開催されます。子どもたちが作文を書く機会もたくさんありますね。
しかし、「〇〇を見ました」「〇〇をしました」と事実だけを書き連ねた作文を書いてくる子も多いのではないでしょうか。
推敲や添削の時間が十分に確保できず、表現をみがくこともなかなか難しいという先生のお話をよく耳にします。

今回は、作文を書くときに少し意識するだけで、ぐんと表現が豊かになることば選びのコツをご紹介します。
ことば選びの意識がつけば、場面によってふさわしい語がどれかを考えられるようになるので、何度も同じ語を使って単調になってしまうということが少なくなるのではないでしょうか。

今回は、第3巻4・5ページ「『見る』が大量発生! 場面にぴったりなことばで表そう!」を活用します。
このページには、何度も「見る」が登場する作文を書いた子どもが、自分の気持ちや行動を振り返って、読む人によりよく伝わる表現を探していくという短いまんがが掲載されています。
目に映ったものをそのまま「見た」と表現するのではなく、「どんな気持ちで」「どんなふうに」見たかを考えながら、そのときの様子によりぴったりな表現で書くようにうながしています。
 
せりふの中で赤い文字で示したことばが、「見る」を言い換えたよりぴったりな表現です。
初めの作文で同じように「見た」と表現されていた事柄も、掘り下げるとこんなに違うということがわかります。
単調だった文章が生き生きとしましたね。

では、まんがと同じように「見る」という語を、より気持ちを表す表現に言い換える活動をしてみましょう。
 
まず、このページ全体を電子黒板やプロジェクターなどで大きく表示し、子どもたちに見せます。
コピーして配ってもかまいません。(この記事の最後で、PDFのダウンロードができます。)
まんがを読むことで、「見る」を使うことは間違いではないけれど、「見る」だけだと気持ちや様子を十分に伝えられないこともある、と意識づけすることができます。
また、何度も「見る」が出てくると、文章が単調になってしまうことにも気づかせたいですね。

次に、「見る」を言い換える練習をしてみましょう。
右に「見る」が使われた文章の例を掲載しています。(この記事の最後で、解像度が高い画像のダウンロードができます。)
まんがの展開のように、 どんな気持ちで「見た」のか、どのような場面なのかということを考えながら「見る」を違う表現にしていきましょう。
隣どうしで話し合ってどんなことばがぴったりかを考えてもよいですね。
 
できた文はノートに書き、何人かに発表してもらいます。
慣用表現や複合語も出てくるとよいですね。
「見る」の似ていることばは、第3巻18ページにまとまっていますので、ことばをさがすときの参考にしてください。
国語辞典を手元に置いておき、話し合いや発表で意味がつかみにくいことばが挙がったときに引かせるようにします。
 
活動の進め方に慣れたら、別の「見る」を使った文や、他の基本的な動作を表す動詞(「聞く」「話す」「食べる」など)を使った文で、ことばの言い換えに挑戦してもよいですね。

この活動を通して、たくさんあることばの中から、そのときに感じた気持ちを表すのにぴったりなことばを選んで、読み手に伝わりやすい文章を書くことを心がけられるようにしましょう。
 
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