2017年 09月 11日

【連載】子どもの語彙力をのばしたい先生へ。すぐに実践できる活動アイデア集〈第5回〉やってみよう!人物紹介ゲーム

この連載では、図書館用図書『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』を使った、簡単に実践できる語彙指導のアイデアを紹介しています。
 
◆『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』とは◆
語彙力・表現力を高める「にていることば」(類語)の使い分け絵辞典です。
子どもたちが日常で使うことばを手掛かりに、意味のにていることばの中から、より自分の気持ちや考えにぴったりな表現を探すことができます。
たとえば、「はずかしい」ということばを引くと、「照れくさい」「赤面する」「顔から火が出る」などがあります。 それぞれの語に、日常に近い用例とイメージしやすいイラスト、使い分けに関するわかりやすい解説がついているので、自分の使いたいことばを見つけ、適切に使いこなすことにつながります。
巻頭のページでは、子どもたちが言語活動を通じて、ことば選びの大切さに気づく様子をまんがで紹介しています。

人物に関する表現の幅を広げる!

自己紹介文や推薦文、物語の創作など、人物を描写する機会が頻繁にありますね。
人物について説明をする場合には、その人を表す的確なことばを選ぶことで、相手により伝わりやすくなります。
また、国語の授業の中では、物語の登場人物の人物像を考えることも多いと思います。
人物の描写にまつわる語彙が広がると、物語の読み取りにもつながりますね。
今回の記事では、人物の性格や特徴を表す語彙を広げる活動を紹介します。

2巻8・9ページ「この人はどんな人? 人物紹介ゲームにチャレンジ!」を活用します。「人物紹介ゲーム」とは、年齢と性別が書かれた「人物カード」と、人物に関するエピソードが書かれた「エピソードカード」からそれぞれ1枚ずつカードを引き、そこに書かれた人物がどんな人かをひとことで表すゲームです。
このページのまんがと同じように、「人物紹介ゲーム」に取り組んでみましょう。

「人物紹介ゲーム」をしよう!

まず、このページを電子黒板やプロジェクターなどで大きく投影して、子どもたちに示します。(この記事の最後で、PDFのダウンロードができます。)
 
このまんがは、子どもたちが「人物紹介ゲーム」に取り組むなかで、人物を表すときには自分のイメージにぴったりなことばを探すことが大事だということに気づくという内容です。
同じ人物を表すときでも、別のことばで表現できることや、人によってイメージが異なることもあるということに気づかせます。

人物の性格や特徴を表すことばがたくさんある、ということがわかったら、さっそく「人物紹介ゲーム」に取り組みましょう。
下記の①~③に沿って進めます。
 
①クラス全員で、右図のような「人物カード」と「エピソードカード」を作ります。
B6サイズの用紙をあらかじめ準備しておきます。
クラスを半分に分け、「人物カード」には年齢と性別(場合によっては職業なども)を、「エピソードカード」には、趣味や特技、どんなことをする人かなどを用紙にひとつずつ書いていきます。
 
②「人物カード」と「エピソードカード」が書けたら、それぞれを別の箱に入れます。
 
③先生を出題役として、ふたつの箱から1枚ずつカードを取り出し、2枚を組み合わせた人物にぴったりなことばを子どもたちに考えさせます。
たとえば、「15歳の中学生男子」と「毎日ピアノを練習している」というカードを引いたとき、どんなことばが浮かぶでしょうか。
子どもたちからは、「努力家」や「根気強い」などのことばが出てくることでしょう。
発表の際は、以下のようにそのことばを考えた理由まで含めて発言するように促しましょう。
そうすることで、友達にもよりよく伝わります。
例1)「私は、このお兄さんは毎日ピアノの練習に打ち込んでいるので、『努力家』だと思います。」
例2)「ぼくは、このお兄さんは『根気強い』と考えました。なぜなら、ピアノの練習を毎日続けるのは、なかなかできないことだと思ったからです。ぼくならきっと『今日はいいや。』と諦めてしまいます。」

人物を表すことばを考えるときには、ぜひ第2巻「性格や特徴を表すことば」を活用してください。
この本には、人物の性格や特徴を表すときに使うことばがたくさん収録されています。
たとえば、「真面目」ということばのカテゴリでは「誠実」や「堅実」など、意味の似ている複数のことばを紹介しています。それぞれの意味の違いを知れば、ことばの使い分けの意識づけにもなります。

活動のウォーミングアップとして、「人物紹介ゲーム」の前に教科書の物語文の主人公を表すのにぴったりなことばを探してみるのもよいですね。
『ごんぎつね』のごんはどんな性格か、それはどんな行動からそう思ったのかを整理することによって、人物に対するイメージをふくらませるきっかけとなります。
なぜそう思ったか、隣どうしで意見を言い合うのもよいですね。

低・中学年でゲームを行うときや、なかなかことばが出てこない子どもたちの助けとなるように、よく聞くことばをあらかじめ模造紙に書いて教室に示しておくとよいでしょう。
 
「人物紹介ゲーム」をきっかけに、人物の性格や特徴をぴったりのことばで表現する力をのばしていきましょう。
 
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