2017年 04月 28日

【連載】子どもの語彙力をのばしたい先生へ。すぐに実践できる活動アイデア集〈第2回〉人物当てクイズをしよう

この連載では、図書館用図書『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』を使った、簡単に実践できる語彙指導のアイデアを紹介しています。
 
◆『光村の国語 この表現がぴったり!にていることばの使い分け』とは◆
語彙力・表現力を高める「にていることば」(類語)の使い分け絵辞典です。
子どもたちが日常で使うことばを手掛かりに、意味のにていることばの中から、より自分の気持ちや考えにぴったりな表現を探すことができます。
たとえば、「はずかしい」ということばを引くと、「照れくさい」「赤面する」「顔から火が出る」などがあります。 それぞれの語に、日常に近い用例とイメージしやすいイラスト、使い分けに関するわかりやすい解説がついているので、自分の使いたいことばを見つけ、適切に使いこなすことにつながります。
巻頭のページでは、子どもたちが言語活動を通じて、ことば選びの大切さに気づく様子をまんがで紹介しています。

人物当てクイズで、ことばに興味をもたせる!

4月も終わりに差しかかりますね。
子どもたちも新しいクラスに慣れてきたころかと思います。
第2回のこの記事では、授業参観などで授業の導入として扱うのにぴったりなアイデアをご紹介します。

子どもたちどうしの交流も兼ねて、クラス全員で人物当てクイズに挑戦してみましょう。
第1巻10・11ページ「『腹を立てている』人はどこにいる?ことば探し隊!」を活用します。

このページでは、下段に示されたことばに当てはまる人物を、上段のイラストの中から探すという、複数で取り組める活動を紹介しています。
ゲームのような感覚で、複数で楽しく取り組める活動は、子どもたちがことばへの興味をもつきっかけとしてぴったりです。

ページの下段には、①から⑩のことばと、そのことばが当てはまる人物を探す際のヒントが示されています。
たとえば、右の図の「① 腹を立てる」ということばには、上段の魚屋さんが当てはまります。

▲ 付箋で人物を説明した部分を隠したところ。

さっそく、クラスで取り組んでみましょう。
「ネコに魚をとられた魚屋さん。」などの答えとなる人物を説明した部分は、あらかじめ付箋などで隠しておきます。
ページ全体を、電子黒板やプロジェクターなどを使って、クラス全員に見えるように大きく投影します。(この記事の最後で、PDFのダウンロードができます。)
  
上段のイラストの中から、それぞれのことばに当てはまる人物を探します。
子どもたち何人かを指名して答えさせたあとに、付箋を剥がして正解を確かめます。
ことばの意味がわからないときは、ことばの下に記載したページを見せて意味や用例を確認しましょう。
中学年以上であれば、国語辞典を引かせて確認するのもよいですね。

すべての答えを確認したあとに、イラストの人物が他にどんなことばで表せるかを追加で問いかけるのも、子どもたちの語彙を広げることにつながります。
単語や慣用句以外にも、オノマトペ、比喩表現も挙がるかもしれませんね。
ことばの下に記載したページには、そのことばと意味が似ていることばが集まっているので、そこから探してもかまいません。

また、上段のイラストには①から⑩に当てはまる人物の他にも、大勢の人物が描かれています。
人物の表情や動作から、どんな気持ちなのかを想像し、どんなことばで表したらいいかを考えてみるのも、語彙を広げることにつながります。
子どもたちどうしで意見を出し合うと、よりたくさんのことばに触れることができますね。
クラスにもいっそうの交流が生まれることでしょう。
 
授業参観で扱って、保護者の方もクイズに巻き込んでみると、また違ったことばに触れることができます。
子どもたちは、大人っぽいことばに興味をもつことでしょう。
保護者の方にとっても、子どもたちの語彙力を知るよい機会になると思います。

このように、ことばとイラストをリンクさせて覚えることで、ことばがイメージしやすくなります。
友達どうしで楽しく交流しながら、人物の感情や場面を表現することばに多く触れることで、ことばのおもしろさに気づくきっかけとなるでしょう。

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