2016年 03月 04日
書写指導 子どもに「書けた!」を実感させたい
ひとつ学習して、ひとつ評価するを目標に
「自己評価」「振り返り」は、さまざまな教科で取り入れられていますね。
子どもたち自身で学習したことを振り返り、目標どおりの力がついたかどうか確かめることによって、主体的に取り組む姿勢を養えます。
書写も他教科同様に自己評価が重要と考えられています。
書写は、書字のための基礎事項をひとつずつ学習し、積み重ねることで基本的な力をつけていく教科ですので、できたかどうかを自分で確認することが効果的です。
では、具体的な自己評価はどのように行うとよいのでしょうか。
書写の学習は、たとえば「今日の授業では『はね』の書き方を習得する。」のように、目標が焦点化されています。
ですから、「『はね』ができたかどうか。」のように目標に対応した評価の観点を設定するのが、子どもたちにとってわかりやすいでしょう。
逆に以下のような観点だと、かえってわかりづらくなることがあります。
「『はね』が含まれる『子』という字がお手本どおりに書けたかどうか。」
「『はね』も『点』も『はらい』もできたかどうか。」
評価の観点が焦点化されていなかったり、多すぎたりすると、子どもたちは書写に対して面倒だなどというような印象をもってしまうかもしれません。
ひとつ学習したことの評価の観点は、最小限に。
書写では、観点を絞ることが定着への近道といえるでしょう。
自己評価の「焦点化」

『書写の練習』の自己評価欄
教材『書写の練習』でも、自己評価ができるように仕組みを考えています。
自己評価欄「書いた文字をふりかえろう」を見てみましょう。
3年生のこのページでは、「日」という字を例とし、「折れ」は曲がるところで一度止めて書くということを学びます。
「日」の後には、「折れ」が含まれる「画・古・青・山・里」と続けて練習し、最後にもう一度「日」を書きます。
この、最後に書いた「日」を見て、自己評価を行います。
自己評価の観点は、ここで唯一学習した「『折れ』を曲がるところで一度止めたかどうか。」です。
評価欄のすぐ上の自分の書いた字を見て、画がきちんと折れているかどうかを確認します。
そこだけを見ればよいので、どの子でも自己評価がスムーズにできるでしょう。
自己評価の観点を焦点化することで、「書けた!」が成功体験となり、子どもたちの書写に対する意欲と、次へのステップへの期待が高まることでしょう。
自己評価と相互評価
どうしても客観的な判断が難しかったり、評価が作業化してしまったりと、適切に評価できないことがあるかもしれません。
そのときには、お隣どうしで交換して相互評価をするのも有効でしょう。
自分の書いた文字を評価してもらうことで、相手意識も芽生えますし、評価する側もなぜ自分がその評価をつけたのか説明できるようになると、学び合いがいっそう深まることが期待されます。
書写の授業、限られた時間の中で最大限の効果を生み出すために、自己評価を活用してみてはいかがでしょうか。
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