2015年 03月 25日

子どもたちの「語彙力」のために

理解語彙と使用語彙

子どもたちの国語の力に関して、「語彙を増やす」とか「語彙力をつける」という言い方をよく耳にします。
「語彙」「語彙力」とは具体的に何を指し、また「語彙を増やす」「語彙力つける」というのは、実際にどうすることを意味しているのでしょうか。

一人一人がもっている語彙は、次の二つに分けられます。
まず、見たり聞いたりしたときに意味が理解できる「理解語彙」、そして理解できるだけでなく、自分で話したり書いたりするときにも使う「使用語彙」の二つです。

理解語彙が増えれば、読んだり聞いたりしたときの理解の幅が広がります。使用語彙が増えれば、話したり書いたりするときの表現の幅が広がります。
「語彙を増やす」「語彙力をつける」というのは、広く世の中のことを理解し、自己を表現するための語彙を獲得していくことを意味しているのです。

小学生向け国語辞典の語彙

語彙は、日常生活の中で、あるいは読書や学習活動を通じて、未知の語と出会うことで獲得されます。
意味の分からない語に出会ったら、まずはどんな意味か考えてみることが大切です。そして、ぜひ辞典を引いて、意味を確かめてほしいと思います。

小学生向けの国語辞典には、小学生にとって大切な語が数多く収録されています。
たとえば光村教育図書の『小学新国語辞典』には、光村図書の国語の教科書を作っている国語教育の専門家が選びぬいた、約33,000語が収録されています。どれも小学生に必要な語、小学生に知っておいてほしい語ばかりです。

『小学新国語辞典』の考える「重要語」「最重要語」

『小学新国語辞典』で特徴的なのは、この33,000語の中から特に、小学校6年間できちんと使いこなせるようになってほしい語を選び出し、「重要語」「最重要語」として大きく取り上げていることです。

小学生が、既に使いこなしている基礎的な語は、ここにはあまり含まれません。
国語教育の専門家たちが一語一語を検討し、思考や感情表現に必要な語や国語の教科に関わる語を中心に、
 「この語は、ちょっと難しいけれど、背伸びをして使ってほしい。」
 「この語がきちんと使えると、表現がぐんと豊かになる。」
そういった語を選びました。

たとえば、次のような語です。
 最重要語:「曖昧」「仰ぐ」「明らか」「あらかじめ」「粗筋」「改める」・・・
 重要語: 「愛情」「アイデア」「憧れる」「鮮やか」「味わう」「与える」
      「圧倒的」「あらゆる」「表す」「暗示」「案の定」・・・

その数、最重要語・重要語を合わせて約2,200。それらには使い方がよく分かるように、用例を多く載せるよう努めました。

重要語・最重要語は赤字で表示。最重要語は、ひときわ大きな文字で示しています。

『小学新国語辞典』を開いたら、その機会に、そのページにある最重要語・重要語にも着目してください。
「最重要語・重要語さくいん」を使って、最重要語・重要語を一つ一つ拾っていくこともお勧めします。

最重要語・重要語を習得し、表現のための豊かな語彙を身につけてほしいと願っています。

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